修理ネットワークとサプライチェーンが半導体製品のライフサイクルに与える影響
自動車業界は、今後数年間でサプライチェーンの進化に直面することになります。
自動車全体のコストに占める半導体の価値が高まっています。Allied Market Researchは、2020年の自動車用半導体マーケット規模を約380億ドルと推測していました。そして、電気自動車(EV)への切り替えによる影響で、2030年末には1,140億ドルにまで成長し、年平均成長率は11.8%になると予想されています。例えば、内燃自動車のドライブトレインには約100ドルの半導体が使用されていますが、EVでは1台あたり1,000ドル以上の半導体が使用されています(McKinsey, Winning share in automotive semiconductorsより)。
アフターマーケットのサポート
自動車のアフターマーケット全体の価値は、現在の9,000億ドルから2030年までに33%増加すると言われています。電気自動車(EV)への転換には、新たなアフターマーケットのスキルセットと構造を必要とし、バリューチェーンに沿ったアフターマーケットの利益の再分配につながります。多くの国で「修理する権利」をめぐる法律がサブシステムの設計に影響を与えるでしょう。
ガソリン車と電気自動車の切り替えに伴う半導体サプライチェーンのバランス
生産期間最大10年、販売後15年をカバーするため、半導体製品の継続供給および 製造中止を管理することは、将来の成功を決定する上で不可欠です。
自動車用半導体の製造中止が加速する要因
ムーアの法則は、マイクロチップやコンピューター・プロセッサのトランジスタ数が2年ごとに倍増し、その結果トランジスタ1つあたりのコストが結果として低下すると予測しています。ムーアの法則によるこの予測は、1975年以来適確です。絶え間ない技術進化と、新しい製造施設への投資コストの指数関数的な上昇は、古くて効率の悪い技術への投資がされなくなり、最終的には製造中止になることを意味しています。
半導体プロセスノードが微細化し、ウェハ上のダイ数が最大化し、製品の速度、性能、コストが向上するにつれて、古いジオメトリとファブは閉鎖され、オリジナル半導体メーカーのリソースは新しい技術や製品に再配属されます。世界中の半導体サプライチェーンにおいてサードパーティ・ファブが支配的な地位を占めていることから、製造プロセスを中止する決定は、多くの場合、オリジナル半導体メーカーの制御外となります。
半導体製品のダイ・サイズが小さくなると、製造設備への多額の投資が必要となるため、半導体の製造プロセスにおいて投資対効果を上げるための最小発注数量 (MOQ) が非常に大きくなり、将来的には最大手となる消費者市場向け委託製造事業とそのアプリケーションのみが製造プロセスのライフサイクルを決定することになります。消費者市場向け電子機器は世界の半導体市場の80%を 占めていますが、自動車用電子機器はわずか8%にすぎません。
半導体製品のダイ・サイズが小さくなると、ICパッケージ全体のサイズも小さくなり、ユニット・コストが削減されます。組立はますます自動化され、リードフレームのような材料や、投資のかかる製品については、直接ダイ・アタッチ組立に置き換えられ、性能がさらに向上し、コストが削減されます。PDIP、PLCC、TSSOP、スモール・アウトライン SOパッケージのような古い半導体パッケージは経済的ではないため、淘汰されていきます。サードパーティの組立製造施設も半導体パッケージ市場のかなりの部分をコントロールしていて、サードパーティのファブと同様に半導体の製造中止(EOL)時期を管理することがよくあります。
半導体製品の製造中止品に対する積極的なアプローチについてはこちらから
半導体製品の製造中止 - アロケーション後の変化
半導体のアロケーションが自動車メーカーへ大打撃を与えています。コロナへの懸念は将来の需要に対する信頼感を低下させました。自動車メーカー向けに確保されていた半導体生産能力は解放され、在宅勤務の拡大によりさらに拍車がかかりました。その解放された余剰能力は、民生および通信アプリケーションが即座に消費しました。自動車需要が予想よりも早く回復しても、半導体生産能力は奪われていたため、自動車メーカーは突然52週間以上のリードタイムに直面しました。その性質上、業界全体の「ジャストインタイム」サプライチェーンモデルには不測の事態に対応するための対策がほとんどなく、世界中の自動車生産は12~18か月の生産停止と遅延に見舞われました。
供給能力を超える異常な需要が発生した時は、常にサプライチェーンのすべての部分が、限られたリソースを最も収益性の高い製品に集中させるよう促します。そして市場が最終的に供給過剰に戻ると、収益性の低い製品ラインは削減されます。サードパーティの組立業者とファブ業者は、独自の損益計算を行い、発注元の直接管理外で製造中止の判断基準を追加します。
Z2Dataのレポートによると:
- アロケーションの前後で、製品の製造中止が30%増加する
- 製造中止の30%以上は事前に予測することが難しく、現行品の状態からすぐにラストタイムバイ(LTB)に移行する
- また、サードパーティ都合でのウェハファブの決定や、突然の組立ツールの不具合が修理されることがないため、超短期のラストタイムバイに移行することも多くなっている
この供給の再調整は、自動車向け半導体の電気自動車への利用を大幅に増加させる基本的な技術シフトと一致しています。これには、自動運転システム、充電器、インバーター、DC/DCコンバーター、高電圧バッテリー、メインプロセッサ、モーター、自律走行、およびインフォテインメント・システムの電動化が含まれます。パワーエレクトロニクスはSi、SiC、GaN技術への大幅な新規投資を促進しており、プロセッサ・エレクトロニクスはより高速で電力消費の少ない技術革新が進められています。
ガソリン/ディーゼル・プラットフォームとその旧型半導体技術の継続的なアフターマーケットのニーズについては、依然として不確実性が残っています。
半導体のサプライチェーンのレジリエンス と耐久性を確保することは、自動車メーカーと各階層のサプライヤーにとって不可欠です。
予測していない半導体製品の製造中止にはどのように対処するのか?
情報共有による将来の生産とアフターマーケットのサプライチェーンのリスク軽減
自動車製造におけるサプライチェーンのリスクを軽減し、将来の供給危機の影響を軽減するには、プラットフォーム全体における半導体の使用状況を完全に把握し、通常の供給チャネルにおける追加の安全在庫に投資し、危機の際に他の認定供給元に素早く切り替える能力が必要です。ロチェスターのオリジナル半導体メーカーに認定された50億個以上の現行品在庫は、品質の低さ、偽造、または非認定の供給元からのマルウェアのリスクなしに、短期間で半導体製品の供給ライフラインを提供します。
長期的なアフターマーケットのコミットメントは、とても不確実で、小規模で、そして断続的な要件が特徴です。オリジナル半導体メーカーは、ロチェスターエレクトロニクスとパートナーシップを締結し、自動車市場の顧客に正確なエンドツーエンドのライフサイクル・カバレッジを提供するようになりました。ロチェスターのようなオリジナル半導体メーカーに認定された正規販売代理店は、製造中止となった完成品のセーフティネット供給を提供し、ウェハからの製品の再生産に移行することができます。また、ロチェスターは関連するテストプラットフォームと古い半導体パッケージの完全自律型長期サポートを提供し、TS16949認証の環境下でオリジナル製品の仕様に準拠していることを保証しています。
したがって、オリジナル半導体メーカーは、資本とリソースを拘束することなく、生産とアフターマーケットのコミットメントをカバーする製品の可用性を保証することができます。
慎重に綿密な計画を立て、オリジナル半導体メーカーとロチェスターエレクトロニクスに早い段階で相談することで、自動車市場の顧客は次のようなコスト消費を回避できる可能性があります:
- 長期保管に対する費用
- 保管条件が不確実な自社保管による製品品質
- ラストタイムバイ時の予測数量に対する将来の不確定さ
- サプライチェーンのギャップを埋めようとするリスクの高い提案の存在(認定されていない製品)
ロチェスターエレクトロニクスと使用情報を共有することで、自動車市場の顧客は供給リスクに関する重要な警告を早い段階で知り得ることができ、危機の際には認定された在庫にアクセスすることができ、在庫、ウェハ、継続的な再生産能力に対するロチェスターの製造中止への投資に影響を与えることができます。
すべての自動車製品と同様に、部品の調達には品質、信頼性、長いライフサイクルが不可欠であり、信頼できるパートナーシップが必要です。ロチェスターは、自動車メーカーの長いライフサイクルと品質要件に合致した半導体を継続的に供給することに注力しています。
ロチェスターは、70社以上の主要半導体メーカーから認定された現行品および製造中止品を供給しています。ロチェスターは認定された製造メーカーとして、2万種類以上の再生産実績があります。また、ロチェスターは120億個以上のウェハ在庫を持ち、7万種類を超える製品展開が可能です。
ロチェスターエレクトロニクスはITAR(国際武器取引規則)製品の製造に登録されています。ロチェスターはISO 9001、IATF 16949、AS9120 、ISO14001(環境管理)の認証を取得しています。また高信頼性の防衛および航空宇宙アプリケーション向けのクラスQおよびVのQML MIL-PRF-38535認定も受けています。
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