ダウンホール掘削における稼働停止時間を防止する：高温でのIC性能の最適化
顧客の課題
オイルやガス用のダウンホール掘削などの産業用アプリケーションは、機械ツールにとって最も過酷な環境の一つです。掘削会社にとっての課題は、高温となる環境で、使用する場所がかなりの深さとなる中で高度な電子機器を操作する必要があることです。これらの電子機器は、稼働停止時間を最小限に抑えるために信頼性を維持することが必要です。
深井戸用電子機器の大部分は、-40〜+85ºCの工業用温度範囲、または-55〜+125ºCの軍用温度範囲のいずれかに定格が定められた半導体製品を使用しています。電子部品がこれらの仕様の制限を超えて動作する場合、パフォーマンスが低下したり、機器が故障したりする可能性があります。深井戸掘削用途では、井戸は5 km以上の深さに達する可能性があり、空気の流れや他の冷却材の不足と相まって、平均温度は200ºCに容易に達するか、それを超えることがあります。
世界最大のダウンホール掘削機器のプロバイダー企業は、機器の歩留まりによる損失を経験しており、障害の根本原因を特定してシステムパフォーマンスを向上させるためにロチェスターのエンジニアリングのサポートを必要としていました
ロチェスターのソリューション
ロチェスターエレクトロニクスは、半導体デバイスの認定とテストエンジニアリングで豊富な経験を持ち、お客様と緊密に連携して、主要なパフォーマンスの問題を特定し、ソリューションを提案することができます。このお客様のアプリケーションでは、ロチェスターが提供するリアルタイム・クロック（RTC）が+175ºCまでの温度で機能し、タイミングの精度を維持する必要がありました。
ロチェスターのエンジニアリングチームは、デバイスのサンプルを評価、一部は失敗し、一部は合格しました。特別なテストハードウェアが開発され、極端な温度に耐えるように構成されました。同様に、ロチェスターのATE（自動テスト機器）向けに、データシート仕様外のデバイス性能を特徴づけるテストプログラムが作成されました。
第1フェーズでは、ロチェスターのエンジニアリングチームは、リアルタイム・クロックデバイスが+175ºCの温度まで機能するという証拠と、高温でデバイスまたはシステムに即座に障害を引き起こすパラメトリックな熱「暴走」の問題は起きないという証拠を提供しました。この結果により、当社のエンジニアリングチームは、リアルタイム・クロックに供給するシステム・パラメータを評価することが可能になりました。
プロジェクトの第2フェーズでは、ロチェスターのエンジニアは、すべての部品の高温傾向を特徴付ける顧客のシステム回路のシミュレーションモデルを開発することで、高温で発生した障害を再現することを可能にしました。 ロチェスターチームは顧客と協力し、一緒になって根本原因を正確に予測することができ、これにより、ロチェスターはボード回路の主要な変更を推奨して、故障モードを最小限に抑え、歩留まりを大幅に改善することができました。
モデリング、故障メカニズムの理解、および顧客と直接協力して電子回路に簡単な変更を加えることにより、この顧客は高温で長期間にわたり機器を操作することができるため、ダウンタイムを最小限に抑え、全体的な収益性を向上させることができました。
