長期的な設計およびライフサイクル要件向けサポート

半導体技術の進化は、オートモーティブおよび産業分野でのイーサネットの採用のように、設計期間や製品のライフサイクルが長期にわたるアプリケーションにとって課題となります。
イーサネットは、その優れたデータレート性能により、何十年にもわたりネットワークアプリケーションで主流となっていました。しかし初期の規格は、多くの産業用制御システムやオートモーティブシステムが必要としているリアルタイム、決定性、コスト効率を満たすには実用的ではなかったため、CANバス、PROFIBUS、Modbus、およびCC-Linkといった規格を中心に発展してきました。
その後イーサネットは大きく進化をし、低コストな100Mbpsや1000Mbpsの接続が一般的となっています。現在ではネットワーク性能は800Gbpsに達しており、1000BASE-T1、シングルペアイーサネット、Time-Sensitive Networking(TSN)といった拡張機能により、リアルタイム性能、同期性、遅延時間、および信頼性が向上し、過酷な環境下でも物理層のパフォーマンスが最適化されています。
産業およびオートモーティブ・アプリケーションでは、高性能センサや大量のデータを扱うシステムの採用が進んでおり、イーサネットの高いパフォーマンスがますます有利になっています。イーサネット設計の導入が拡大する中、従来のシリアル技術は徐々に廃止されるか、限定的な用途のみの使用になっています。そのため、設計期間の長いアプリケーションでは、成熟したシステムで使用されているシリアル製品の供給状況を継続的にみていく必要があります。
半導体産業は50年以上にわたり、ボリュームと生産能力に支えられてきました。アプリケーションが新しい技術へと移行するなか、半導体メーカーもその変化に適応しています。CANバス、RS-232、RS-422、RS-485や、同じように成熟した技術に使用される製品は、ライフサイクルの曲線の広範に位置しています。このような状況では、半導体メーカーは生産を減少させ、製品ラインを簡素化し、段階的に製品を製造中止にします。しかし、慎重な計画と管理を行うことで、半導体メーカーが製品を製造中止にした後も、既存の製品を長期にわたり製造し続けることも可能です。
ロチェスターエレクトロニクスは、40年以上にわたり、幅広い顧客およびアプリケーション向けに半導体製品の長期的なライフサイクルサポートを提供しており、また従来のシリアルインターフェースからイーサネットへの移行に対してもサポートを提供しています。
ロチェスターは、CANおよび従来のシリアルバスアプリケーション向けに設計された製品について、3,800種類の製品型番からなる、2,700万個の製品在庫を保有しています。製品在庫には下記が含まれます:
- CANコントローラを内蔵した特定用途向けマイコンを100種類以上
- 専用のCANコントローラおよびトランシーバを450種類
- RS232、RS422、RS485トランシーバを3,000種類以上
- パワーマネジメント機能を備えたSystem Basis Controllers(SBC)を100種類以上
当社の製品在庫は、オリジナル半導体メーカーに認定された製品、追跡可能な製品履歴、そして製品保証されたソリューションを提供しています。すべての製品は、アナログ・デバイセズ、NXP、テキサス・インスツルメンツ、およびルネサスなどの主要メーカーから供給されており、これらの業界のリーダーはイーサネット設計の進化も支えています。こうしたパートナーシップにより、ロチェスターは新技術をサポートしながら、オリジナル半導体メーカーより製造中止となった47種類の製品(例:インテル 82527CANコントローラ)を、ウェハ保管や再生産の認定を通じて引き続き供給を行っています。これにより、半導体製品が製造中止になった場合でも、顧客は機器の生産を継続することが可能です。さらに顧客を支援するため、当社はインテル82527CANコントローラの継続的な需要に対応すべく、製品の再生産にも投資を行っています。