気密封止パッケージの社内製造
顧客の課題
現代において、デジタル・シグナル・プロセッサー(DSP)の用途は、音声、音響、画像製品など多岐にわたります。
これらの製品の多くは、ライフサイクルの短い民生用アプリケーションにて使用されていますが、車載用、医療用、産業用など、DSPを長期間必要とするアプリケーションでも使われています。このような背景から顧客によって設計された製品に使用されている半導体製品を、長期間にわたって生産し続けることが求められており、これが、オリジナル半導体メーカーにとって、大きな課題となっています。これは困難であり、かつ多くの費用が掛かる問題となっています。
ロチェスターエレクトロニクスの重要なパートナーである、オリジナル半導体メーカーでは、ある顧客向けに32ビット浮動小数点プロセッサの継続供給を要求されていました。そこで、オリジナル半導体メーカーは、パートナーシップを締結しているロチェスターエレクトロニクスに、既に市場では入手できない、240ピンのCQFP(Ceramic Quad Flat Pack)気密封止パッケージの組立サポートについて問い合わせをしました。
ロチェスターのソリューション
ロチェスターエレクトロニクスは、米国本社敷地内に製造サービスに関連した施設を有し、半導体製造サービスを提供、製造中止となった半導体製品の継続供給に豊富な経験を持っています。ロチェスターは、気密封止パッケージの組み立てと信頼性試験に特化した60,000平方フィートの敷地を持ち、この施設を使用することで、製品認定まですべての工程を社内で対応することが可能です。
今回のケースで、オリジナル半導体メーカーは対象製品の部品表と240ピンCQFP気密封止パッケージに関する重要要求事項をロチェスターのエンジニアリングチームに提供しました。ロチェスターの技術、品質、製造の各チームは、組立工程で重要となる仕様をすべて抽出し、要求事項を徹底的に検討しました。これらの要求がオリジナル半導体メーカーによって承認されると、ロチェスターのエンジニアリングチームと製造チームは最初のプロトタイプを開発しました。そして、完成した半導体製品のすべての特性がメーカーの期待する仕様を満足しているか、あるいはそれ以上のものであることを確認するために、製品評価が行われました。
その中で、下記に記載したプロセス評価も行いました。
- 半導体ウェハの切断品質
- ダイ・アタッチ時の配置場所の再現性
- エポキシ被覆率/ボンドライン厚
- ワイヤーボンド時の配置場所の再現性
- ワイヤー引き抜き強度試験
- 蓋接合強度/シールボイド測定/RGA
- 電気特性
初期製品評価が無事終了し、オリジナル半導体メーカーとの検討の後、ロチェスターエレクトロニクスは半導体パッケージ組立工程について、完全な認定作業に進むことを許可されました。ロチェスターエレクトロニクスで製造した半導体製品は、品質保証に関するすべての要求事項を全て満たしており、ロチェスターは量産を開始しました。
ロチェスターエレクトロニクスは、この半導体製品の唯一の製造メーカーであり、オリジナル半導体メーカー、そして顧客のための長期的な製造ソリューションを提供しています。当社は、重要で長期間継続する必要のあるアプリケーションに対して必要とする半導体部品の継続的な供給元として、業界でユニークな地位を確立しています。
ロチェスターエレクトロニクスについて
ロチェスターエレクトロニクスは、70社以上の主要半導体メーカーより認定された、半導体製品を継続供給する業界最大手の正規販売代理店及び製造メーカーです。オリジナル半導体メーカーより認定された正規販売代理店として、150億個以上の在庫と20万種類以上の製品群を持ち、世界最大規模の製造中止品及び現行品を供給しています。またオリジナル半導体メーカーより認定された製造メーカーとして、ダイ換算で120億個以上のウェハ在庫を持ち7万種類を超える製品展開が可能、また今まで2万種類以上の再生産実績があります。さらに設計、ウェハ設計、組立、テスト、信頼性やIPアーカイブなど、製造サービス全般のターンキー・ソリューションを提供することにより、市場投入までの時間を短縮しています。ロチェスターエレクトロニクスは、半導体製品の継続供給サービス及び製造をサポートするソリューション・プロバイダーです。
