年数を経た半導体に対するはんだ付け試験の適合性を検証
デートコードによる制限には根拠がないことが業界で認識されつつありますが、半導体製品を使用している顧客や製造委託業者のなかには、意図的 に購入する製品のデートコードを指定して、デートコードの古い製品に対し制限を課している場合もあります。
ロチェスターは、自社施設での長期保管中に部品の劣化は発生しなかったという以前の検証結果を踏まえ、表面実装技術(SMT)製品から、様々な保管期間の製品を選択し、はんだ付け性と基板実装性能の評価を実施しました。
前回リリースしたロチェスターのホワイトペーパーでは、幅広い種類の製品が長期保管後も使用可能であることが実証されています。今回の検証では、年数を経た表面実装製品のはんだ付け性試験結果とプリント回路基板(PCB)の組立性能を比較しました。ロチェスターは、基板実装が成功するかどうかを予測するための最も正確な試験方法を特定することを目指しました。この検証では、長期保管した後の製品を評価するために、従来のはんだ付け性試験と物理的な製品実装を比較した際に、顕著な違いがあることが明らかになりました。
従来のはんだ付け性試験は、ディップ&ルック(はんだ槽/浸漬および外観試験)とSMTシミュレーション(表面実装プロセスシミュレーション試験)の両方の試験方法を、3つの試験サイトで個別に実施しました。これらの製品を実装するために設計された基板は、3つの製造委託業者とロチェスターエレクトロニクス社内にて組立てられました。各製造委託先で組立てられた基盤は、外部の研究所に送られ、断面解析と走査型電子顕微鏡(SEM)画像が行われました。また電気的試験は、基板実装用に選択された製品とは別の製品に対して実施されました。
この検証の結果は、驚くべき事実を示唆しています:従来のはんだ付け性試験方法では長期保管後の基板上の製品の性能を正確に反映できない可能性があるということを示しています。この矛盾は、これらのはんだ付け性試験方法が新しく製造された製品用に開発されたことに起因している可能性が高いです。ここで実証されているように、半導体製品を該当するPCBに直接実装する方法は、製品の使用条件をより正確にシミュレーションしています。
すでに製品の可用性とサプライチェーンの継続性の問題に直面している長期システムのユーザーにとって、各製品は長い製品ライフサイクルを支えるために非常に重要です。従来のはんだ付け性試験方法を受入検査時のスクリーニングとして使用することは、すでに利用可能な製品が限られている状況下で、さらに不必要な制約を課すことになりかねません。したがって、古い半導体製品のユーザーは、検査手順を確立する際に、完全に機能し、はんだ付け可能な製品を不必要に不合格にするリスクを慎重に考慮する必要があります。
ロチェスター エレクトロニクスの長期保管に関する検証は、4年以上にわたる試験、数十種類の製品、および過去40年の間に製造された製品に及んでいます。その方法論には、電気的試験、非破壊X線検査、はんだ付け性試験、パッケージ分解分析、PCB組立、断面検査、SEM画像解析、および外観検査などが含まれます。
現在までに、ロチェスターでの長期保管による製品の機能性や使用性の低下を示すデータは見つかっていません。したがって、デートコードの制限を裏付ける証拠はないという業界の一般的な理解を補強するものとなります。