製品ライフサイクルの延長
現代の軍事・航空宇宙のサプライチェーン・マネジメントは、かつてないほどの大きな課題に直面しています。システムは他のどんな産業よりも長い開発期間を必要としており、ライフサイクルは長く、30年を超えることもよくあります。しかし、半導体業界は、ライフサイクルがはるかに短い民生用のアプリケーションに牽引され、製造中止(EOL)の発表やレガシー製品への関心が薄れる状況につながっています。
さらに、半導体技術の急速な進歩は、半導体製品が製造中止となるまでの速度を加速させています。重要な半導体製品が製造中止となった場合、メーカーは信頼性の高い代替品を見つける必要がありますが、その代替品は単発的な交換だけでなく、その半導体製品を使用している製品のライフサイクル要件を全てカバーする必要があります。
軍用および航空宇宙設計の独特な特性のため、製造中止となった半導体製品に対する実行可能な解決策を見つけることがさらに困難になります。再設計は選択肢の１つですが、多くの場合にはコストのかかる開発、テスト、および再認定が必要となります。
多くの半導体メーカーは、通常のパートナー以外に知的財産へのアクセスを許可することに対して消極的であるため、半導体製造メーカーと直接コンタクトをして協力を求めることは選択肢としては難しいかもしれません。
この度、半導体製品の製品移管と再生産をサポートするため、ロチェスターエレクトロニクスはマサチューセッツ州ニューベリーポートの本社に最先端のテストおよび製造施設を開発し新設しました。ロチェスターは、気密封止パッケージやプラスチックパッケージ、複雑なハイブリッドパッケージの組立を行うことができます。さらに、ロチェスターは米国を拠点とするデザインセンターを二か所持っており、半導体製品の再生産や、フォームフィットし、機能的なドロップイン製品の置き換えに重点を置いた、シリコンASICの設計を数多く手がけています。
ロチェスターエレクトロニクスは、製造中止となった製品を長期的な継続供給をサポートするだけでなく、オリジナル半導体製品の性能仕様を正確に再生産した代替品を提供することにも成功しています。こうした製品の再生産は、製品の機能を模倣しようとするエミュレーションに基づく代替品とは異なります。ロチェスターによる製品の再生産には、オリジナル半導体メーカー(OCM)からの協力に基づく、出力エッジレートのマッチングを伴う、物理的・電気的に正確な再生産となります。製品のピンごとの構造、同一のダイ・サイズ、サイクルごとのタイミングの一致は、ロチェスターが再生産した半導体製品は元の製品と同一の性能であることが保証されています。再生産された製品の認定は、再設計されたシステムまたはエミュレートにより複製された代替品よりも、確認すべき項目や検証ステップなどが大幅に少なくなります。
ロチェスターエレクトロニクスには、数十年の経験と半導体技術に関する深い知識を持つ優秀な設計チームがいます。ロチェスターの再生産品のポートフォリオには、マイクロプロセッサ、DSP、マイクロコントローラ、ミックスド・シグナル、フルデジタル、およびアナログ設計が含まれます。ある航空会社の顧客はロチェスターと提携し、より簡単なマイナーチェンジとなるような分類に位置づけられることを可能にする製品を再生産することで、コストのかかるDO-254の再認証パスを回避しています。ロチェスターのチームは、顧客の製品ライフサイクルが尽きるまでの間、FPGA、PLD、およびその他のプログラマブル・ソリューションをソース提供可能な製品に移行することを可能にしてきました。
ロチェスターは、半導体テストとバーンインに特化した30,000平方フィート以上の敷地を有しており、16の需要なATEプラットフォーム、40台以上のテスターとハンドラーを備えています。この度、最新プラットフォームとレガシープラットフォームの両方が混在しているため、ロチェスターは長期的に製品供給の継続性を保証する移行パスを提供できるようになりました。
業界の多くのオリジナル半導体メーカーがリードフレームパッケージを廃止していく中、ロチェスターはQFN、PLCC、QFP、PDIP、TSSOPおよびSOICなどの幅広いパッケージオプションへの投資を続けています。また、幅広い標準気密封止パッケージの組立にも対応しています。
完全なMIL-STD認定は、マサチューセッツ州ニューベリーポートの施設内にて完結します。信頼性ラボは、国防兵站庁の認定を受けており、宇宙レベルを含む軍用規格に準拠したグループA、B、C、およびD試験を提供しています。
最近の顧客の事例はこちら：
- ある航空宇宙・防衛技術企業は、ハイブリッド組立回路の生産をサポートする組立サービスに関して、ロチェスター エレクトロニクスと提携しました。対象となる製品の継続性を確保するためには、ITARに準拠した米国国内に拠点を置く、専門的な高周波組立とテストのサポートが必要でした。カスタム軍用ハイブリッド・モジュールは元々、政府の積極的なプロジェクトをサポートするために 1970 年代に設計されましたが、元のハイブリッド製品を製造し供給していた製造会社は、新規製造のサポートを終了していました。ロチェスターは、気密封止パッケージの組立、モジュール内の半導体製品の統合、電気テスト、元の仕様に対する認定を含む、ハイブリッド組立の再生産サポートを提供しています。この製品は現在再生産中です。ロチェスターエレクトロニクスは、経験豊富な製造技術だけでなく、継続的なITAR認定プログラムに必要なレベルの部品在庫も備えているため、このプログラムの理想的なパートナーでした。顧客は再設計と再認定にかかる多額の費用を節約し、米国政府の重要なパートナーとしての評判を維持することができました。
- ロチェスターは現在、レーダーシステムにマイクロサーキットモジュールコントローラを組み込んだ防衛プログラム用の8×8ピンQFNパッケージ組立を提供しています。最終製品は現在、ロチェスターのパッケージ組立を使用して認定プロセスを受けています。この顧客は、当社の技術力、注文数量に対する柔軟性、追加の製造サービスを提供する能力を評価してロチェスターを選びました。
ロチェスターエレクトロニクスは、軍事および航空宇宙産業の信頼できる長期的な米国ベースのパートナーです。30年以上にわたり、当社は製品の移管を可能にし、顧客が部品の製造中止を回避できるよう支援してきました。半導体製品の継続的な供給を保証するため、当社は米国国内での設計、再生産、テストサービスへの投資を続けています。当社は、顧客に継続的な供給元を提供し、製品ライフサイクルを延長することに努めていきます。
