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重要な産業をサポートする

 

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生産能力が限られている現在の半導体業界では、多くのオリジナル半導体メーカー(OCM)が半導体製品のライフサイクルの短縮に動いています。しかし、多くの産業では、何十年にもわたり機器を稼働させ、維持することが求められています。そのため、これらのアプリケーションで使用している製品のライフサイクルを維持するためには、継続的な製品供給が不可欠です。

 

一般的な解決策の1つとしては、製造中止後に半導体製品を長期間保管することです。ロチェスターエレクトロニクスは、1981年以来、ライフサイクルの長いアプリケーションのサプライチェーンの混乱を解消するために、部品の長期保管に成功しています。

 

半導体製品を長期保管する場合、適切に保管された半導体製品が実際に現場で信頼して使用できることをエンドユーザーが確信できることが重要です。そのため、ロチェスターの品質・信頼性チームは、長期保管が機械的完全性と電気的性能に及ぼす影響について調査しました。

 

テキサス・インスツルメンツが公開した複数のホワイトペーパーでは、長期保管後の半導体製品の信頼性について調査しています。最初に公開されたホワイトペーパーでは、管理された環境で適切に保管された半導体製品の保管期間が15年を超えることが報告されていましたが、その後公開されたテキサス・インスツルメンツのホワイトペーパーでは、最長21年まで保管された半導体製品についても故障のメカニズムは見つからなかったことが報告されています。これらの研究結果は、管理された環境で保管された半導体製品に基づいていることに注意してください。

 

ロチェスターによる調査では、さまざまな環境下で、最長17年間保管された半導体製品からサンプルを無作為に抽出しました。これらは、5つの異なるオリジナル半導体メーカーの半導体製品で、そのパッケージタイプは、3つのリード仕上げタイプを抽出し、合計8種類の製品を評価しました。さらに、標準的な基板実装とはんだペースト、リフローなどの製造工程についても分析対象としました。この作業については、PCB組立の経験が豊富な、外部の独立したサードパーティーの電子機器製造会社によって、組立工程を実施しました。この組立委託会社は、ISO-9001の認証を取得しており、17年以上の業界経験を有しています。

 

ロチェスターの品質および信頼性チームは、半導体製品が長期保管後に劣化しないことを検証するため、パッケージ内部の健全性、部品とPCBのはんだ接合部の品質、および電気的試験の結果などの分析を行っています。分析方法には、X線画像解析、レーザー、薬液滴下開封、断面観察、走査型電子顕微鏡(SEM)に加え、電気特性(機能とタイミング)試験が含まれています。

 

試験に使用する半導体製品は、デートコードの異なる3種類のパッケージを選択し、その上で、ランダムにサンプルを選択しました。3種類のパッケージとは、28ピンのプラスチックリードチップキャリア(PLCC)、14ピンの薄型シュリンクスモール アウトラインパッケージ(TSSOP)、8パッドの極薄型スモール アウトラインノンリードパッケージ(VSON)になります。

 

検証サンプルのうちいくつかは、レーザーによる開封作業を行い、ダイを露出させ、問題がないかどうかを調べました。その結果、腐食、クレーター状の陥没、ボンドパッドのクラックは見つかりませんでした。ロチェスターエレクトロニクスは、プリント基板の設計、製造、使用に関連する業界の専門家と提携し、パッケージタイプやデートコードの異なるさまざまな表面実装製品について、実装の検証を実施しました。すべての検証サンプルは、プリント基板組み立て時でのリフローを正常に完了しました。ロチェスターは、はんだ接合部の光学検査とX線検査、はんだ付けされたリードの長さに沿った断面検査、およびはんだ接合部の断面のSEM画像処理を行うことで、これらの結果を検証しました。

 

外形の違う12種類のプラスチック表面実装製品57個を、それぞれプリント基板の両面に実装してみました。そのサンプルの中には、古いもので2006年に製造された製品もありました。実装後、これらすべてのパッケージの端子部分の状態を検査した結果、不具合は見つからず、正常にプリント基板に実装されたことが確認されました。

 

はんだ付けの状態をより深く検証するために、プリント基板を斜め方向からX線で撮影しました。VSONパッケージの画像では、はんだの長さスケールと被覆密度により、さらなる詳細な情報を得ることはできませんでした。

 

さらに、リード端子部分の切断面のSEM画像を撮影し、はんだペーストの正確な形状と内部構造を明らかにしました。はんだペーストの内部構造は堅牢であることが分かり、外部検査と一致し、プリント基板組立の成功がより確かなものになりました。

 

また、同じ画像処理技術を使って、半導体パッケージの内部の検証やパッケージ内部の欠陥の検査も行いました。検査した結果、欠陥は観察されませんでした。

 

すべての検証サンプルはレーザーでデキャップされ、短時間の酸エッチング処理を実施し、開封しました。開封した製品の状態を確認すると。長期保管後の環境ストレスや劣化のメカニズムに合致するような損傷は観察されませんでした。また、すべての検証サンプルにクラック、層間剥離、ボンドワイヤの欠陥がないことが確認されました。

 

2つの異なるデートコードを持つ半導体製品の在庫からの3つの製品をランダムにピックアップし、それぞれのデータシートの要求事項に従って試験を行いました。試験した半導体製品の保管期間は平均すると約15年に及びました。各デートコードの、型番:9513APC20個、27S21PC25個、UC3835N50個、試験を実施しました。その結果、すべての半導体製品はそれぞれのデータシート仕様を満たし、結果のデータ分布にデートコード依存する変化は見られませんでした。

 

ここで紹介したデータから、半導体製品は10年以上保存しても、プリント基板へのはんだ付け強度を含め、内部および外部の状態に変化がないことが示されました。さらに、検証を実施した半導体製品には、腐食、亀裂、剥離の兆候は見られませんでした。また、試験した半導体製品は、適用されるすべての機能試験とタイミング試験に合格しました。

 

ロチェスターによる入念な検証により、長期保管することが、必ずしも製品の劣化をもたらすわけではないということがわかってきました。実際に部品は機能的に問題なく組み立てることができ、電気的にも何年にもわたって使用することができます。長期保管している製品でも、ライフライクルの長いアプリケーション用途に実行可能なソリューションを提供することが出来ます。

 

ロチェスターエレクトロニクス ホワイトペーパー:“半導体製品の長期保管が機械的特性および電気的特性に及ぼす影響”

ロチェスターエレクトロニクス ホワイトペーパー:“半導体製品のはんだ付け性に及ぼす長期保管の影響について”

テキサス・インスツルメンツ ホワイトペーパー:“Long Term Storage Evaluation of Semiconductor Devices

テキサス・インスツルメンツ ホワイトペーパー:“Component Reliability After Long Term Storage

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