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揮発性メモリの歴史を振り返る

 

Volatile Memory email

不揮発性メモリに続いて、今回は揮発性メモリの歴史をご紹介いたします。不揮発性メモリは、電源を切ってもメモリ内にデータが残っていますが、揮発性メモリは、電源が入ってるときはデータを保持していますが、電源を切るとデータは消去されてしまいます。揮発性メモリの最大の特徴は、メモリの状態を維持するためには電力が必要だということです。主な製品の種類は、SRAM(Static Random Access Memory)DRAM(Dynamic Random Access Memory)2つです。

SRAMメモリは、1959年のIBMCMOS研究を受けて、1963年にFairchildにて開発され、1969年にインテル3101SRAMの導入につながりました。

大規模な集積化が進む前には、ディスクリートや、アクセスが簡単なメモリを使用することが、多くのシステムにおいて基本となっていました。そして、SRAM製品はこの必要性を満たしていました。SRAMは、アドレスとデータのインターフェースが簡単で、任意のメモリ位置への読み書きが可能でした。

1970年代から2000年代にかけて、SRAMメモリは高性能なソリューションを提供するために広く使用されていました。高速のマイクロプロセッサ、DSPFPGAの需要の増加に対応するため、より複雑な同期インターフェースが追加されました。当初は多くの半導体メーカーがこの市場を支えていましたが、やがて日本や韓国の半導体メーカー数社によって独占されることになりました。

現代の設計やアプリケーションにとって、ディスクリートSRAMの市場は既に時代遅れになっています。21世紀の半導体技術および集積化技術により、半導体メーカーはSRAMを他の半導体製品に直接組み込むことができるようになりました。しかし、航空宇宙、防衛、産業、医療などの市場では、アプリケーションの長いライフサイクルにおいては、古いSRAM製品を必要としており、継続的な需要をもたらします。インフィニオンサイプレスルネサスISSI、およびアライアンスは依然として、この市場をサポートしており、ロチェスターエレクトロニクスは、現行品および製造中止されたSRAM 製品の両方を含む在庫でお客様のニーズをサポートできる立場にあります。

DRAMは、もう1つの有力なタイプの揮発性メモリです。このメモリは半導体革命以前からあり、古くは第二次世界大戦中にブレッチリーパークで使用された「アクエリアス」というコードネームの暗号解読機に遡ることができます。この機械では、紙テープを読み込むと、その文字が大きなコンデンサのバンクにダイナミックに記録されて、コンデンサのバンクは充電されると“1”と、充電していないと“0”とどちらかを表示するものでした。電気は徐々に漏れていくので、周期的なパルスを印加していました。興味深い事実として、この機械はドイツのエニグマ暗号を解読した機械として知られるようになりました。

容量性チャージを利用とするアイディアは、DRAMのシリコンソリューションにつながりました。1964年、IBMで働くアーノルド・ファーバーとユージン・シュリグは、トランジスタのゲートとトンネルダイオードのラッチを使用したハードワイヤード・メモリセルを製造しました。これは2つのトランジスタと2つの抵抗を使用するソリューションに置き換えられ、Farber-Schligセルとして知られるようになりました。1965年、IBM80個のトランジスタ、64個の抵抗器、そして4つのダイオードで構成される16ビットのシリコンメモリチップを開発しました。東芝は、電子計算機「Toscal BC-1411」にディスクリート・バイポーラメモリセルで構成された180ビットDRAMを採用しました。

1966年、IBMはこの技術をMOS(金属酸化物半導体)プロセスに発展させ、SRAMの代替品として開発しました。1969年には、Advanced Memory Systems(1976年にはインターシルと合併)1024ビット・チップを開発し、ハネウェル、レイセオン、およびワング・ラボラトリーズにて限定的に発売を行ったことがあります。

DRAMの開発は、今日まで続く絶え間ない進歩へのプロセスの始まりでした。1970年、ハネウェルはインテルと共同で3つのトランジスタのセル型DRAMを開発し、これが最初の市販製品となる1Kビットのインテル1103につながりました。1973年には、モステックが多重化された行と列のラインを使用した4Kビット製品を発表し、その後1973年に16KビットのMK4116を発表しました。

DRAMの高密度化は進み、1980年代前半には64Kビットまで到達しました。ビットあたりの価格で最高の指標を達成する、市場での地位を確立していましたが、製品のコモディティ化が進み、1985年にインテルのゴードン・ムーアは、DRAM市場からの撤退を決定しました。しかし、他の半導体メーカーは製品のサポートをし続け、やがて富士通、日立、三菱電機、および東芝といったメーカーが市場を席巻するようになりました。

DRAMの技術は21世紀にはいっても進歩し続けました。現在では、64Gビットという高密度化が進んでいます。絶え間ない技術の進歩により、DRAMはビットあたりのコストを継続的に削減することができました。これらの進歩は、ビットあたりの消費電力を最小限に抑えながら、性能の絶え間ない向上を可能としました。性能の向上は、以下のような複数世代のインターフェースの変更を通じて、アプリケーションのパフォーマンスの向上が実現されました。

  • EDO
  • 高速ページモード
  • SDRAM
  • LPSDRAM
  • DDRDDR2DDR3DDR4、およびDDR
  • LPDDRLPDDR2LPDDR3LPDDR4、およびLPDDR5

このようなインターフェースの変更は、民生向けや製品サイクルの短い高性能アプリケーションには歓迎されましたが、長期安定供給に依存する他のアプリケーションは、このような絶え間ない変更を受け入れていません。サムスン、SKハイニックス、マイクロン、ウィンボンド、およびISSIなど、現在市場に参入している半導体メーカーは、それぞれ市場のセグメントをターゲットにしており、最新世代を提供するところもあれば、レガシー製品に焦点をあてるところもあります。

今後も引き続きロチェスターをフォローしていただき、特殊メモリや低密度組込みストレージソリューションに関する今後の議論にぜひご期待ください。ロチェスターエレクトロニクスは、現行品である揮発性メモリ製品と製造中止された揮発性メモリ製品の正規販売代理店および製造メーカーです。当社の揮発性メモリのポートフォリオは、標準的な低密度な製品から高性能な同期DDRおよび高密度な製品まで、複数の世代のSRAMDRAMをカバーしています。

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