半導体製品の“パズル”には、製造中止の原因となる多くのピースが存在しています。これらのピースは、事業収益からファウンドリのプロセス技術、パッケージ、基板やリードフレーム、テストプラットフォーム、および設計リソースなど、半導体製品を構成するサブ部品の1つまで、多岐にわたります。そのパズルのピースには、特定の半導体企業の企業全体または市場の焦点が含まれることも多いです。長期的なシステムを取り扱う顧客企業が自社の製品に対する焦点を変更しない場合でも、半導体企業における市場の焦点は時間の経過とともに変化する可能性があります。あらゆる製品選択、およびオリジナル半導体メーカーが提供する部品番号に関する長期的な可用性リスクを理解することは、さまざまな市販のツールによって提供される部品表 (BOM) 健全性レポートの能力をはるかに超えています。
製造サプライチェーンは、長期的な製品の供給にどのような影響を与えるのでしょうか?
ほとんどの古い半導体製品は、DIP、PLCC、QFPおよびPGAなどのリードフレーム・パッケージで組み立てられていました。しかし現在の半導体市場は、規模の大きい市場をドライバとしてリードフレーム・パッケージから、基板ベースの組立へと移行しています。
なぜ業界はリードフレームの組立から離れてしまってのか?
リードフレームの組立が姿を消しつつある理由を理解するためには、組立の場所、利益率、そして性能の向上への動きを振り返ることが重要です。
組立工程の海外移転はTSMCがファウンドリ技術で優位に立つ前の、1980年代に本格的に始まりました。1980年代のオフショア組立工程はコストを優先的に考え推進されましたが、1980 年代の組立工程は現在ほどクリーンではなかったため、環境規制も考慮をしながら推進されました。より大きな利益率を追求した結果、多くのリードフレームメーカーが徐々に市場から消え、最終的には最大手のメーカーのみが利益を上げることが出来ました。ほとんどの半導体企業の利益率が 50% に向かう傾向にある一方で、リードフレームの利益率は 1 桁台まで減少しました。高速I/Oの推進とBGAパッケージの発明と時を同じくして、リードフレームの数量は1990年代から2000年代初頭にかけてピークを迎えました。PCI-e、マルチ・ギガビット・イーサネット、SATA、SAS、およびs-Rioなどの高速I/Oでは、ワイヤボンディングが性能を制限していることがわかりました。I/O規格やその他の新しい規格は、ワイヤボンドでは決して達成できないような性能のロードマップを必要としており、製品の速度が大幅に向上するにつれて、それらの製品の能力も向上しました。
ワイヤボンドは、チップの外側からコアに向かって電力を分配します。1990年代に入手可能となった高性能品では、ダイの外側から製品に電力を供給するだけでは不十分でした。BGAのフリップチップとサブストレートは、コアに直接電力を供給し、ボンディングワイヤを取り除くことで、電力分配の課題を軽減、高速SerDes規格でより優れたシグナルインテグリティを可能にしました。2000年代初頭にリードフレーム組立の数量が減少したため、より少ないピン数のパッケージとしてQFNパッケージが登場しました。QFNは、主にワイヤボンドを大量に使用する基板ベースの組立です。現在のリードフレームの組立の生産量は、基板ベースの組立よりもはるかに少なくなっています。リードフレームの組立の最大のコストは、トリム&フォームツールです。リードフレームの生産量が減少するにつれ、リードフレームのトリム&フォームツールの交換コストは、海外メーカーの一桁台の利益率と相まってリードフレームの組立からの完全撤退への大きな圧力となっています。
なぜ業界がリードフレームの組立から移行したのかというと、テクノロジーのパフォーマンスがワイヤボンドをゼロにすることを要求し、少量のリードフレームの組立を継続するコストが膨大だったからです。
ロチェスターエレクトロニクスはこのような傾向を認識、および予測し、リードフレームの組立と基板ベースのQFNおよびBGA組立、両方に同時に投資をしました。何十億ものダイとウェハが保管され、そのほとんどがリードフレームの組立を必要とする中、投資を行ったことは確かに論理的な決断でした。ロチェスターは、PLCCパッケージ用の高価なトリム・オプションやフォーム・オプションに投資するだけでなく、世界最大の組立工場のみならず、その他多くの組立工場も急速に撤退しているため、存在するほぼすべての組立タイプを長期的にサポートできる組立工場を弊社米国の拠点に立ち上げました。
組立ソリューションが導入されれば、テストソリューションも実行可能でなければいけません。リードフレーム製品から基板ベースの製品へ、そのテスター技術で組立技術も同様の傾向が発生していることを考慮してください。生産テスト用の最新のハンドラーは、主に基板ベースの組立を対象としています。 また現在、量産に向けたコスト削減の取り組みはすべて基板組立に基づいています。 特に製品がリードフレームベースの場合、生産量が減少するため、OSAT 拠点での少量生産のテストは実現可能性が低くなります。
ウェハが入手可能であると仮定し、企業が既存のOSATサプライチェーンを買収して同じ半導体製品を提供し続けたらどうなるのだろうか。
これがロチェスターエレクトロニクスの考える短期的な解決案です。リードフレーム、組立からテストまで、私たちが検討した半導体製造のパズルのピースを思い出してください。OSATチェーンのどれか1つのリンクが、今後経済的に実現不可能と判断された場合、結果として製品の製造中止が起こることが予想されます。OSATのサプライチェーン・マネジメントをサポートする企業は、元の半導体メーカーのように生産量を増やすことができないため、製造中止のリスクは高まります。したがって、その企業は同じレベルの製品の継続性を維持することができません。短期的には、OSATチェーン・マネジメントにより製品を生産し続けることができますが、長期的には通常実行不可能です。
ロチェスターエレクトロニクスは、オリジナル半導体メーカーより認定された製造メーカーとして、ダイ換算で120億個以上のウェハ在庫を持ち7万種類を超える製品展開が可能、また今まで2万種類以上の再生産実績があります。
40年以上にわたり、ロチェスターは70社以上の主要半導体メーカーより認定された、半導体製品を継続供給する業界最大手の正規販売代理店および製造メーカーとして、重要な半導体製品を継続的に供給してきました。
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