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認定されたサプライチェーンの安全性と信頼性

作成者: Ayana Murakami|Nov 7, 2024 3:16:12 AM

オリジナル半導体メーカーに認定された製品、製品履歴、そして製品保証されたソリューション

 

2022年の世界の半導体収益のうち、正規販売代理店が占める割合はわずか25-29%に過ぎず、そのほとんどが非正規チャネルからの調達であることはご存じでしょうか?この非正規チャネルが、“グレーマーケット”を構成しています。

非正規または“グレーマーケット”な半導体販売業者は、オリジナル半導体メーカー(OCM)との正式な契約を結ばずに活動しています。彼らは多くの場合、過剰な製品在庫、廃れた製品や偽造品などをさまざまなルートを通じて製品を入手します。非正規の販売業者と取引することで、品質の低い製品や偽造品などを受け取るリスクをもたらします。また、オリジナル半導体メーカーから許可を得ていない流通チャネルからの製品の購入は、オリジナル半導体メーカーのサポートや保証を受けることができません。

半導体製品の流通チャネルとは?

  • 正規販売代理店:正規販売代理店はオリジナル半導体メーカーに認定されていて、そのオリジナル半導体メーカーから直接製品を受けとっています。また、追跡可能な製品履歴、そして製品保証されています。
  • 非認可/独立販売業者:非認可の販売業者や独立した販売業者は、オリジナル半導体メーカーからの直接の認定がなく、安全な製品サプライチェーンを提供することができません。製品のテストを提供している販売業者もありますが、製品の真正性は保証されていません。
  • 非正規販売店:非正規販売店は、様々な手段で製品を購入、再販していますが、品質保証がないため顧客にとって最も安全性の低い選択肢です。また、偽造品を購入するリスクも高まります。

正規販売代理店以外からの購入は、以下のようなリスクにつながる可能性があります:

  • メーカー保証や技術サポートが受けられない
  • サプライチェーンに一貫性がなく、サプライチェーンが中断するリスクが高まる
  • 業界標準への準拠が保証されないため、規格外品や偽造品のリスクが高まり、顧客の金銭的および風評リスクが高まる

偽造品がもたらすリスクは非常に現実的であり、しかも増大していきます。ノースカロライナ州立大学によると、偽造品の取引額は1980年代の300億ドルから、現在では6,000億ドルを超えるまで拡大しています。

2023年のERAI報告書によると、偽造品や不適合製品の報告件数は増加していて、その数は、世界の半導体売上が減少しているにも関わらず、過去2年間で増加する一方です。

規格外品や偽造品がサプライチェーンに流入した場合、顧客に以下のような影響が生じます:

  • 生産歩留まりの低下と手直しの増加
  • マルウェアの導入または第三者がソフトウェアにアクセスできるようにする変更
  • 稼働中の障害の増加と信頼性の低下
  • 致命的なシステム障害に伴うリスクと金銭的リスクの増大
  • 風評被害の可能性

脅威にさらされるのは顧客だけではありません。収益の損失、さらに深刻なのは風評被害が、オリジナル半導体メーカーに影響を及ぼします。

偽造品の本当の数を知ることはできません。政府・業界データ交換プログラム(GIDEP)のような自己申告ツールは存在していますが、顧客には製品購入の失敗を認める動機がありません。顧客が自らを守るためには、正規ルート以外で調達された半導体はすべて偽造品の可能性があると想定する方が安全です。

様々な偽造品は顧客にリスクをもたらします:

  • 再マーキング:再マーキングされた製品の場合、強力な化学薬品や機械的なグラインダーを使用して元の外部マーキングを消去し、再マーキングするプロセスは、内部のボンディングや基材に損傷を与える可能性があります。洗浄工程で残留した化学物質が徐々に入り込み、再マーキングされた製品を汚染し、ボンドパッドやボンドワイヤの不具合を引き起こします。再マーキングの印刷は非常に紛らわしく、AS6081の目視での確認では識別できない場合があります。AS6171に基づく基本的な製品テストでは、より高仕様の製品として再マーキングされた製品の性能差を特定することはできません。また、オリジナル半導体メーカー(OCM)のテストで不合格となり廃棄される製品を、違法な手段で回収された製品も検出されません。

  • 回収プロセス:古いPCBから使用済み半導体を回収するプロセスでは、熱や機械的なダメージが発生することがあります。PCBからICを回収するというのは、それまである程度の期間、そのPCBが使われていたり、管理されていない環境下で保管されていたりした後に発生します。そのため、過度な湿度、水、塩分にさらされることは日常茶飯事です。リードの再メッキ処理と再形成の最終工程では、ESD、熱、および機械的リスクがさらに生じます。この回収プロセスでは、表面上は本物でも信頼性に疑問のある、中古製品が製造される可能性があります。
  • 識別可能な余剰在庫:認証のない製品履歴では、品質、信頼性、正規製品であることの保証を提供しません。リスクのない選択肢とみなされることが多いですが、このような認定されていない履歴を持つ半導体製品の場合、その多くは保管および取扱い条件は管理されていません。ESDによる損傷や湿気の侵入は、正規の余剰在庫である半導体の信頼性にとって同様に悲惨なものです。半導体製品の調達が非常に困難な時に、こういった認証のない製品履歴を持つ製品を購入することにより、異なる供給元の製品の混合と偽造リスクが増大しますが、それを判別することは困難です。

Electronic Sourcing North Americaの2024年読者アンケート結果によると、半導体を調達する顧客の主な懸念点は、製品の品質、信頼性、偽造品、リードタイム、製造中止(EOL) 、および耐用年数終了製品の調達に関するものです。これらの懸念事項はすべて、完全に認可された流通チャネルとのみ連携することで対処できます。

オリジナル半導体メーカーから認定された代理店から購入する理由

  • 製品の真正性と信頼性の保証
  • メーカー保証とサポート
  • 偽造品のリスク回避
  • 業界品質基準および認証の遵守
  • 追跡可能なサプライチェーン
  • 安全に保管された製造中止品の製品在庫

多くの顧客は、オリジナル半導体メーカーが製品を製造中止した際には、非正規品やグレーマーケット品が唯一の選択肢になると思い込んでいます、ですが、そうではありません。

オリジナル半導体メーカー(OCM)が製品を製造中止にする場合、顧客はオリジナル半導体メーカーから直接、最終的な購入機会を与えられることが多いです。多くの場合、顧客は大量の製品在庫に資金を投入することを望まず、多額の購入資金を用意できないあるいは十分な保管設備がないことがあります。供給が枯渇すると、顧客は新しい供給元を見つけないといけないが、「最終購入」(LTB)後の安全な製品調達の選択肢は限られています。ロチェスターエレクトロニクスのようなオリジナル半導体メーカーから認定された製造中止品の製品移管を行っている正規販売代理店は、リスクのない継続的な製品在庫と再生産を提供しています。

The Society of Aerospace Engineers (SAE)が開発したAS6496は、正規の流通サプライチェーンにおける偽造品対策のガイドラインを定めた強固な偽造品対策です。

ロチェスターエレクトロニクスなどの正規販売代理店および製造メーカー(米国国防総省 DFARSに記載)は、AS6496に準拠しています。オリジナル半導体メーカーは、AS6496に準拠した正規販売代理店が追跡可能で保証された製品を提供することを認定しており、製品はオリジナル半導体メーカーからのみ供給されるため、品質テストや信頼性テストは必要ありません。

認定されていない販売店は、AS6171/4に準拠していると宣伝することがあります。これは、標準化された検査とテスト手順に従うものの、疑わしい製品や偽造品を検出するための最低限の訓練と認定要件しかもっていない可能性があります。AS6171テストが行われている場合、その製品は本来のオリジナル半導体メーカーのテストプログラムに基づいてテストされているわけではありません。オリジナル半導体メーカーのテストプログラムは、データシートのパラメータを大幅に超える基準でテストを行うものであり、数百万個が販売された場合でも、不具合のない製品を選別することを目的としています。AS6171テストは、オリジナル半導体メーカーのテストプログラムと同じものではありません。

AS6469認定のアフターマーケットを担う正規販売代理店のリスクフリーな選択肢は、常に最初の選択肢となるはずです。

ロチェスターエレクトロニクスは、オリジナル半導体メーカーより認定された正規販売代理店として、150億個以上の在庫と20万種類以上の製品群を持ち、世界最大規模の製造中止品及び現行品を供給しています。

ロチェスターが保有している製品のうち100億個以上が、オリジナル半導体メーカーによって製造中止と分類されている製品です。ロチェスターは、長い製品ライフサイクルが必要なアプリケーションに対して、継続的な製品の提供を行うことができます。ロチェスターの製品供給は、高価な再設計、再認定、再認証の必要性をなくし、マーケットで入手困難な製品を調達するリスクを回避します。半導体製品はオリジナル半導体メーカーから直接移管され、認定された製品、追跡可能な製品履歴、そして製品保証されたソリューションを提供しています。その結果、ロチェスターは元の製品保証と同じものを提供することができます。

ロチェスターは認定を受けた製造メーカーとして、オリジナル半導体メーカーからロチェスターに直接移管された情報と技術を使用して、継続的なソリューションを提供しています。ロチェスターはオリジナル半導体メーカーからのダイと製造プロセスを利用し、オリジナルの設計、組立ソリューション、そしてテストプロトコルに適合させます。そのため、当社で製造した再生産品はオリジナル半導体メーカーに認定そして保証された、オリジナル半導体メーカーと同じ製品型番にて提供しています。

 

ロチェスターの認定された再生産ソリューションにより提供される再生産品は、最新のデートコードであり、オリジナルのデータシートに従って動作することが保証されています。また、当社のチームは、厳しい規制要件に対応できるよう顧客をサポートします。ロチェスターは2万種類以上の再生産実績があり、ダイ換算で120億個以上のウェハ在庫を保有し、7万種類を超える製品展開が可能です。

 

半導体製品のライフサイクルを延ばすという顧客の継続的なニーズを最大限にサポートするため、ロチェスターは設計ソリューションへの投資を継続的し、顧客のシステムソフトウェアが変更される必要がないことを保証すると共に、新規認定費用を最低限に抑えるドロップインハードウェア・ソリューションを開発しています。ロチェスターは、オリジナルの製造プロセスからの製品の移管を専門としていますが、形状、適合性、そして機能的な代替品も提供しています。ロチェスターの設計ソリューションに関わらず、エラッタは発生せず、システムソフトウェアの変更も必要ありません。

 

ロチェスターエレクトロニクスはITARの認証を取得しています。また、ISO 9001、IATF-16949、AS9120、およびISO14001 (環境管理)の認証を取得しています。また、信頼性の高い防衛および航空宇宙アプリケーション向けのQML MIL-PRF-38535のクラスQおよびクラスVの認証を受けています。

ライフサイクルの長いアプリケーションに不可欠な半導体製品の製造中止に直面したら、ぜひロチェスターエレクトロニクスをご検討ください。ロチェスターエレクトロニクスは、信頼性の高い長期的な半導体製品のライフサイクルソリューションを提供する認定されたエキスパートです。

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